- 婚約者に浮気された!婚約は解消すべき?それとも許すべき?
- 浮気した婚約者に慰謝料請求したら「婚約が成立していないから払わない」と言われた
- 婚約者が浮気したときの慰謝料相場はどのくらいなの?
婚約者が浮気をしたら、通常は婚約を解消せざるを得ません。
その場合でも慰謝料請求できるケースとできないケースがあります。
また婚約者に対する慰謝料請求の相場も把握しておきましょう。
今回は、婚約破棄によって慰謝料を請求できる条件や金額の相場、慰謝料の請求方法を解説していきます。
婚約者が浮気したら慰謝料が発生する可能性がある
婚約とは将来の結婚を約束する契約です。
契約書などの書面を交わしていなくても、口頭で「結婚についての合意」があれば成立します。
将来を誓い合った仲である婚約者が他の異性と浮気していたら大変ショックです。
誰でも婚約を解消したいと思ってしまうでしょう。
実際に婚約者に浮気されると、浮気された方は大きな精神的苦痛を受けるので、浮気した婚約者に慰謝料請求できる可能性があります。
婚約しているにもかかわらず他の異性と性行為をすると重大な裏切り行為になるので、民法上の「不法行為」が成立するのです。
ただし婚約者が浮気をしても、必ずしも慰謝料請求できるわけではありません。
2つの条件が必要になるので、それぞれみていきましょう。
婚約者の浮気で慰謝料請求できる条件とは
婚約者が浮気したときに慰謝料請求できる条件は、以下の2つです。
1.婚約が成立している
1つ目の条件は「婚約が成立している事実」です。
相手が婚約の成立を争わなければ話は簡単ですが、慰謝料請求すると相手が手のひらを返して婚約を否定するケースも多々あります。
その場合にはあなたが「婚約」を証明しなければなりません。
単に口頭で「結婚しよう」と言われたと主張するだけでは証拠になりません。
婚約が成立しているというためには以下のような状況が必要です。
- 結婚式の準備を進めて結婚式場の予約をしていた
- 両親と顔合わせを済ませ、親戚や友人知人にも結婚を伝えていた
- 結婚式場の招待状を送っていた
- 結納の式を行い、結納金の授受を行っていた
- 婚約指輪の授受を行っていた
2.「不貞」(性関係)がある
婚約者が浮気したときに慰謝料請求するための2つ目の条件として、婚約者が浮気相手と「不貞関係」にある事実も必要です。
「不貞と浮気と何が違うのか?」「不貞とは何か?」と思われるかもしれません。
不貞は法律的にいう「浮気」なのですが、浮気とは異なる部分があります。それは「不貞」の場合には必ず「性交渉を伴う」点です。
単に「浮気」と言う場合、デートしたとか一緒に食事したとか、LINEでラブラブメールを交わしていた、何となく良い雰囲気になっているなども含むものです。
しかし、それだけでは「不貞」にならず婚約破棄の理由にならないし、慰謝料も発生しない可能性があります。
婚約破棄で慰謝料請求したければ、婚約者と浮気相手が「性関係」をもっている事実を証明しないといけません。
そう考えると、婚約者への慰謝料請求はハードルが上がってしまいますよね。
婚約者の浮気の証拠となるもの
では、浮気した婚約者に慰謝料請求したいとき、どのようなものを浮気(不貞)の証拠として集めたら良いのでしょうか?
婚約の証拠
まずは「婚約が成立していた事実」を証明する証拠が必要です。具体的には以下のようなものを集めましょう。
- 結婚式場への予約票
- 結婚式場への入金を示す振込証などの記録
- 結婚式場とのメールのやり取りの記録
- 友人知人らに送った結婚式の招待状の控え、返答の書類
- 新婚旅行の予約票
- 結納の式が行われた際の領収証
- 結納金を支払った際の出金通帳
- 親と顔合わせを行った際のレストランの領収証
- 婚約指輪
- 親戚、友人知人など周囲の人の陳述書
上記のようなものをなるべくたくさん集めましょう。
2.不貞の証拠
次に婚約者の「不貞」を証明するためには以下のような証拠が必要です。
LINEやその他のSNSのメッセージ、メール
LINEやメールのやり取りも不貞の証拠になりますが、これらだけでは不貞を証明しきれないケースも多々あります。
たとえばLINEでは2人が仲良くしていて、通常の友人以上の感情を持っている事実がわかるものもあります。
しかし、メッセージのやり取りだけで「肉体関係があるかどうか」判別するのは困難なのが通常です。
一緒に旅行に行ったりホテルに行ったり相手の家に泊まったりしている事実がわかるなら、LINEやメールで直接的に不貞を証明できます。そうでない場合には間接的な証拠にとどまります。
写真や動画など
スマホやPC内に写真や動画が保存されているケースがあります。
これらについても、直接的に「肉体関係」を証明できないケースが多くなっています。
証拠価値の高いのは、性交渉の際にふざけて撮影した裸の画像や動画などです。
単に二人で写っているデート中の写真などの証拠価値は低くなります。
ブログの文章
婚約者や浮気相手が書いているブログの文章から浮気を証明できるケースもあります。
たとえばクリスマスに泊まったなどと書かれていたら、かなり直接的な証拠になります。
通話記録
電話の通話記録をとれれば、浮気を推測させる証拠として使える可能性があります。
もしあなたの名義で婚約者のスマホを契約している場合などには、通信会社に照会してみましょう。
スケジュール帳などの記録
婚約者のスケジュール帳やデータがあれば、そこに浮気相手と会う日について特別なマークなどがつけられている可能性があります。
浮気の自認書
婚約者に詰め寄って浮気を認めさせ「〇〇さんと肉体関係を伴う浮気をしていました」と認める書面を書かせると、それが不貞の証拠となります。
このとき、単に「浮気しました」ではなく必ず「肉体関係(性関係)をもっていた」と書かせて署名押印させましょう。
探偵の調査報告書
自分では浮気の証拠を集めるのが困難と感じたら、探偵事務所に依頼して浮気調査を行ってもらいましょう。
探偵であれば婚約者と浮気相手にピッタリ張り付いて浮気の現場を押さえ、しっかり文字と画像で保存してくれます。
その結果は「調査報告書」という書類にまとめて提出してもらえるので、裁判でも証拠として利用できます。
自分では「肉体関係」を証明できるだけの証拠を入手するのは難しいものですが、探偵事務所なら相手がホテルに入ったり旅行したり、あるいは婚約者が浮気相手の家に泊まったりするところを写真付きで押さえられるので、相手方らも言い逃れできなくなります。
婚約者の浮気を自分で調べると「修羅場」になる可能性
探偵事務所に浮気調査を依頼すると、高額な調査費用がかかるので心配になり「自分で浮気調査をすれば良いのでは?」と考える方もおられます。
しかし自分で婚約者の浮気調査をすると、いわゆる「修羅場」となって危険が発生するケースも多く、お勧めではありません。
自分で浮気調査をして修羅場になる例をいくつかみてみましょう。
相手方に気づかれて修羅場になる
1つは尾行している相手方らに気づかれて修羅場になるパターンです。
自分で尾行すると素人ですからどうしても目立ちやすいですし、婚約者はこちらの歩き方や背格好などの特徴も知っているので、気づかれやすいです。
親戚や友人に依頼しても怪しまれて気づかれます。
そうなると相手が振り返って「何をやっているのか」などと詰め寄ったり逆切れしたりしますし、こちらも感情的になり浮気相手も巻き込んで修羅場になってしまいます。
こちらが相手を殴ったら刑法上の「傷害罪」なども成立します。
そうなったら証拠集めどころではありません。
浮気現場を見つけて耐えられなくなって乱入し修羅場になる
相手に気づかれずに上手に後をつけて浮気の現場を押さえたら、その場では写真や動画を撮影して記録をとり、後に報告書をまとめる必要があります。
しかし、婚約者が浮気している現場を目の前にすると気持ちを抑えられなくなってしまう方がおられます。
つまりその場で相手の目の前に出ていって「どういうつもりか」「何をしているのか」などと詰め寄るのです。
そうなったら相手や浮気相手の方も感情的になって、修羅場になってしまいます。
親戚や知人などに尾行を依頼した場合でも、血の気が多い人だとトラブルが起こります。
自分で浮気調査するその他の問題
自分で婚約者を尾行して浮気調査すると、以下のような問題もあります。
違法行為をしてしまうおそれ
浮気調査は、高度なテクニックを要する作業です。
素人がうかつに手を出すと、違法行為をしてしまうリスクも高まります。
たとえば浮気相手の家に勝手に侵入したら住居侵入罪が成立しますし、浮気相手の車に勝手にGPSを仕掛けたら器物損壊罪になってしまうおそれもあります。
尾行しているときに違法駐車で道路交通法違反をしてしまうケースもありますし、相手ともめて暴力を振るい暴行罪や傷害罪が成立してしまうおそれもあります。
また相手のスマホに「浮気調査アプリ」をしかけると「ウイルス供用罪」などの犯罪が成立するリスクが高いので、やってはいけません。
相手のIDやパスワードを使って勝手に相手のSNSなどにログインするのは不正アクセス禁止法違反となります。
このように自分で浮気調査をすると、違法行為になりやすいので非常にリスクが高い状況です。
うまく記録をとれないおそれ
もう1つの問題が「うまく不貞(浮気)の記録をとれない可能性が高い」点です。
せっかく浮気の現場を押さえても、素人ではすかさずカメラを取り出して明瞭に撮影するのは困難です。
良いカメラを持っていないケースもありますし、カメラを構えている間に相手がどこかへ行ってしまって証拠を録り逃すといったケースも多々あります。
せっかく苦労して尾行してもチャンスを逃してしまっては意味がありません。
確実に浮気の証拠をとりたいなら、プロの探偵事務所に任せるべきです。
婚約者に浮気されたら、浮気相手にも慰謝料請求可能
婚約者に浮気されたら婚約者だけではなく浮気相手も許せないと感じるものです。
浮気相手にも慰謝料を請求できるのでしょうか?
婚約者にも浮気相手にも全額の慰謝料を請求可能
浮気されたら浮気した婚約者だけではなく、浮気相手にも慰謝料支払い義務が発生します。
浮気は「婚約者と浮気相手が2人で行う不法行為」だからです。
そもそも浮気によって慰謝料が発生するのは、民法上の「不法行為」に該当するためです。
そして2人以上の複数人が1つの不法行為を行う現象を「共同不法行為」と言います。
共同不法行為が行われたとき、共同不法行為者は慰謝料を「連帯して」支払わねばなりません。
連帯責任となる場合、それぞれの連帯債務者が発生した損害「全額」についての支払義務を負います。
そこで浮気の場合にも婚約者と浮気相手は慰謝料を連帯責任として負担します。
被害者であるあなたは、婚約者にも浮気相手にも全額の慰謝料を請求できるのです。
浮気相手は「自分の分しか払わない」と言えない
浮気相手に慰謝料請求すると、相手から「私は積極的に浮気を進めてないので、半額しか支払いません」などと言われる心配はないのでしょうか?
実は浮気の慰謝料請求において、浮気相手が自分の「負担部分」を主張するのは認められません。
連帯責任の場合、それぞれの債務者は債権者に対して負担部分を主張できないのです。
たとえば浮気の慰謝料が200万円発生していて、あなたが浮気相手に200万円全額の支払を求めたとき、浮気相手が「私の分は半額の100万円だけだから、それしか払いません」などと抗弁するのは認められません。
婚約者の責任がどうあれ、浮気相手は200万円全額を払わねばなりません。
求償権とは
ただし浮気相手から慰謝料を全額支払わせると、後に浮気相手が婚約者に「求償」する可能性があるので注意が必要です。
求償権とは連帯債務者が自分の負担部分を超えて慰謝料を支払ったとき、超過部分を他の連帯債務者に返還請求する権利です。
浮気相手から求償されると、婚約者は自分の負担部分を浮気相手に返さなければなりません。
婚約を破棄するならばあまり問題になりませんが、婚約者の浮気を許して復縁する場合、求償されると婚約者のお金を相手に取られてしまう問題があります。
せっかくがんばって浮気相手から慰謝料を獲得しても、結婚する予定の婚約者からお金を取り戻されてしまっては意味がありません。
求償を防止するためには、浮気相手と慰謝料支払いについての合意書を作成するときに「本件について婚約者に求償しない」という約束をしておきましょう。
婚約者の浮気の慰謝料相場や高くなるケース、安くなるケース
次に婚約者や浮気相手に慰謝料請求をするときの慰謝料の相場をご紹介します。
婚約者の浮気慰謝料の相場
浮気で婚約破棄になった場合の慰謝料相場は、だいたい50~200万円程度です。
ケースごとに金額が異なります。
以下で婚約者の浮気による慰謝料が高額になるケースとそうでないケースにどういったものがあるのか、みてみましょう。
婚約者の浮気慰謝料が高くなるケース
以下のような事情があると、婚約者の浮気の慰謝料は高額になりやすいです。
- 婚約期間が長い
- 婚約者と婚約破棄された被害者が、結婚を前提に肉体関係をもっていた
- 婚約破棄された女性が婚約者との子どもを妊娠していた
- 浮気が行われた期間が長い
- 婚約破棄された側の年齢が高い(次の結婚との関係で婚約破棄されたときの年齢が考慮されます。特に女性が婚約破棄されて出産できる年齢を超えてしまった場合などには結婚が難しくなる可能性が高まり、慰謝料が高額になりやすいです。)
- 婚約破棄された側が結婚のために仕事を辞めていた
- 婚約破棄された側が結婚のために転居していた
- 婚約破棄された側が精神的な病気になった(うつ病などになったケースです。)
- 浮気相手が妊娠、出産、中絶した
- すでに大々的に婚約を発表しており、破棄解消による社会的な影響が大きい
婚約者の浮気慰謝料が低くなるケース
一方、以下のようなケースでは婚約者が浮気しても慰謝料が低額になります。
- 婚約期間が短い
- 浮気の期間が短い、回数が少ない
- 婚約破棄された側の年齢が高くない
- 婚約破棄された側の受ける影響が小さい
たとえば、婚約破棄された側も仕事を辞めておらず引越も結婚のための準備も特に行っておらず年齢も若くて次に結婚するチャンスも充分にあり、結婚式さえキャンセルすればまた日常に戻っていけるような場合には慰謝料は低額になります。
婚約破棄したときの結納金や婚約指輪の取扱い
婚約者の浮気によってやむなく婚約破棄したとき、すでに支払い済みの結納金や婚約指輪はどのように取り扱うのでしょうか?
結納金の場合
結納金は婚姻成立を証するために男性側が女性側に渡すお金です。
男性が浮気したケースと女性が浮気したケースで、取扱いが異なってきます。
男性が浮気した場合
結納金は結婚を前提として渡すお金なので、婚約を破棄したら取り戻せるのが原則です。
しかし結納金を渡した男性自身が浮気をして、そのせいで婚約破棄となった場合にまで、男性が結納金を取り戻せるのは不合理です。
そこで「信義則」により、男性は自分で渡した結納金を取り戻せないと考えられます。
婚約者に浮気されて婚約が破棄される場合、女性は相手男性に結納金を返す必要はありません。
女性が浮気した場合
一方女性が浮気したために婚約が破棄されてしまった場合には、女性の行為によって婚約がなしになってしまったので、当然受けとった結納金を返還しなければなりません。
つまり男性が婚約者の浮気の被害に遭った場合には、相手女性に対して結納金の返還を求められます。
婚約指輪の場合
次に婚約指輪についてみてみましょう。
男性が浮気した場合
男性が浮気した場合、女性は男性の不法行為の被害者です。
結納金のケースと同様に、男性は自分で不法行為をして婚約破棄させておきながら、婚約指輪の返還のみを求めるのは信義則に反すると考えられます。
そこで男性側から婚約指輪の返還を求めるのは不可能です。
ただ女性の側としても婚約指輪をもらったままにしておくのは気持ち悪いと考える方もおられます。
そのようなときには婚約指輪を売却すると良いでしょう。
女性が浮気した場合
一方女性が浮気した場合、女性は男性に婚約指輪を返還すべき義務を負います。
婚約指輪は婚姻を前提にした条件付の贈与であり、婚約が解消された今、指輪だけを渡したままにしておく理由がなくなるからです。
ただ婚約指輪を返してもらっても男性としても何にも使えません。
それであれば「お金で払ってほしい」と考える方もおられます。
婚約解消した際に指輪の賠償として女性に求められるのは「指輪の時価の賠償」か「指輪自身の返還」であり「新品価額の支払い」を求めるのは基本的に不可能です。
そこで基本的に指輪を返してもらって宝石ショップなどで売却するか、時価程度の金銭賠償を受けるしかありません。
買ったときよりは、かなり安くしか売れないので損失は発生してしまうでしょう。
婚約者が浮気したとき、婚約破棄せず許しても良い
ここまでは婚約者が浮気したときの慰謝料請求について説明してきましたが、婚約者が浮気しても「婚約を破棄しなければならない」わけではありません。
相手を許して復縁するのも可能です。
以下では婚約破棄と許して復縁するのとどちらが良いのか、それぞれのメリットやデメリットを比較していきます。
婚約破棄するメリットとデメリット
メリット
婚約破棄すると、以下のようなメリットがあります。
- スッキリした気持ちで次に進める
- 次にもっと良い相手と出会える可能性がある
デメリット
一方、以下のようなデメリットもあります。
- 結婚の機会を逃してしまう特に破棄したときの年齢によっては、次の婚姻が困難になるケースがあります。
- 相手に未練があると後悔する可能性がある
- 精神的に落ち込んでしまい、次の相手を探す気力も無くなるケースがある
浮気を許すメリットとデメリット
メリット
婚約者の浮気を許すと、以下のようなメリットがあります。
- 結婚できる
- 周囲に迷惑をかけずに済む、変な噂も立たない
- 相手が本当に反省している場合、幸せな家庭を築ける可能性がある
デメリット
- 結婚後もいつまでも過去の浮気を引きずる可能性がある
- 結婚後も常に相手の浮気を疑ってしまう
- 相手が実は浮気性で、結婚後苦しめられる可能性がある
- 実は浮気相手と別れていなくて、結婚後にトラブルになる可能性
- 浮気相手に慰謝料請求をすると、配偶者となった婚約者に求償される可能性がある(この問題を防ぐため、復縁するなら必ず浮気相手の求償権は封じておきましょう)
婚約者を許しても良い条件とは
以上を踏まえると婚約者が浮気しても許すなら、以下のような条件を満たす場合にしましょう。
- 婚約者が浮気相手と完全に別れている
- 婚約者が反省している
- 今回の浮気は一事の気の迷いであり相手は本来的な「浮気性」ではない
- 浮気相手に慰謝料請求するなら求償権を封じておく
最低限、上記を満たしているケースで復縁を検討しましょう。
婚約破棄でも慰謝料が発生しないケースがある
ここまで浮気による婚約破棄について説明してきましたが、婚約を破棄したとしても常に浮気のケースのように慰謝料が発生するわけではありません。
婚約破棄に「正当事由」があれば慰謝料は発生しないのです。
以下でどのような場合に婚約破棄の正当事由が認められるのか、みていきましょう。
相手から暴力を振るわれた
婚約中に相手から暴力を振るわれたら、婚約破棄の正当事由になります。
たびかさなる虐待を受けた場合はもちろんのこと、一回だけでも酷く殴られて相手を信用できなくなったら婚約を解消する正当事由になります。
相手からひどい侮辱を受けた
婚約中に自分や自分の実家の家族に関してひどい侮辱を受けたなら、婚約解消の正当事由になります。
たとえば「君の実家はおかしい。狂ってる」「君の実家とは一生関わりたくない」「君も同じ穴のムジナだな」「バカじゃないのか」などと言われたら、結婚して実家と姻族関係を結ぶのは難しいでしょうし、相手を信用できなくなります。
婚約解消をしても、慰謝料は発生しません。
相手が非常識な行動をとった
暴力や侮辱以外にも、相手が通常では考えられないような非常識な行動をとるケースがあります。
たとえば結婚式の準備中や打ち合わせ中に対応してくれた方に対して非常識な迷惑行為を行った場合、両親との顔合わせや式の打ち合わせなどに事前予告なく無断欠席して周囲に迷惑をかけた場合、デート中に飲食店などで突然怒鳴り出してトラブルを起こしたケースなどでは、結婚に不安を感じるものです。
そのような場合、婚約を解消しても慰謝料を支払う必要はありません。
相手が浮気(不貞)した
今回説明してきたように相手が浮気をした場合には、婚約解消の正当事由が認められます。
こちらから婚約破棄しても慰謝料を払う必要はありませんし、相手に慰謝料請求できます。
相手が障害者となったり大病を患ったりした
相手が婚約中に交通事故に遭って一生介護を要する障害者となった場合や、大病をしていつ亡くなるかわからない状態になった場合などには、婚約解消の正当事由が認められます。
婚約破棄の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
婚約者の浮気によって婚約破棄されて慰謝料請求する際、弁護士に依頼すると以下のようなメリットがあります。
スムーズに高額な慰謝料を請求できる
自分で婚約者や浮気相手に慰謝料請求するためには、さまざまな証拠を集めて内容証明郵便の請求書を作成、発送して相手と話をする必要があります。
とても繁雑な作業が必要となり、日々の生活もある中でスムーズに進めるのは困難です。
弁護士に慰謝料請求を任せると、必要な作業はすべて弁護士が行ってくれますし効果的な証拠の集め方も教えてくれます。
また婚約破棄の慰謝料の相場も把握しており相手との交渉もポイントを押さえて進めてくれるので、結果的に有利な条件で高額な慰謝料を獲得しやすいメリットがあります。
相手からの反論に対抗できる
婚約破棄の慰謝料請求をすると、相手方らからさまざまな反論をされるものです。
自分で対応していると、的確に反論できず慰謝料を減額されたり払ってもらえなくなったりするリスクも高くなります。
弁護士に依頼すると効果的に反論できるので、相手から言いくるめられて慰謝料を払ってもらえなくなるおそれは大きく低下します。
訴訟も任せられる
慰謝料請求をして話がこじれると、裁判所で慰謝料請求訴訟をしなければなりません。
自分一人で慰謝料請求の裁判を進めるのは困難ですが、弁護士は裁判のプロなので任せていて安心です。
裁判所にも弁護士1人で行ってもらえば良いので、代理を依頼すればあなた自身が仕事を休んで裁判所に行く必要はありません。
精神的に安心できる
婚約者が浮気をするとただでさえ心が大きく傷つくところ、慰謝料請求で元の婚約者や浮気相手と話をするのは多大な精神的苦痛を伴います。
弁護士に任せてしまえば弁護士が相手方らと話をするので、あなた自身は対応する必要がありません。精神的にも非常に楽になります。
弁護士に依頼すると費用がかかりますが、上記のようなメリットも見逃せないので慰謝料請求の際には是非とも依頼を検討してみて下さい。
婚約破棄の慰謝料請求を進める方法
婚約破棄の慰謝料請求を進める際には、以下の手順で進めましょう。
1.浮気の証拠を集める
まずは綿密に証拠集めを行います。
証拠なしに浮気の慰謝料請求をしても、しらを切られたらそれまでです。
自分で十分な証拠を集められなかったら探偵事務所に相談してみましょう。
見積もりまで無料で出してもらえるケースが多数なので、事前に確かめて申し込んでみましょう。
2.内容証明郵便で請求書を作成する
証拠が集まったら、内容証明郵便で慰謝料の請求書を作成します。
内容証明郵便を利用するのは、相手にプレッシャーを与えるためです。
また内容証明郵便を使うと、相手に慰謝料請求した事実を明確な証拠として残せる効果もあります。
婚約者と浮気相手の片方のみ、あるいは両方同時に内容証明郵便を送って慰謝料請求できるので状況に応じて請求しましょう。
3.話し合いをする
慰謝料請求通知書を送ったら相手と話し合いをします。
しかし多くのケースにおいて相手はすんなり請求額を支払いません。
どのくらいまでなら支払えるのか、分割払いなら支払えるのかなど粘り強く話し合って条件を取り決めていきましょう。
4.公正証書で合意書を作成する
相手との間で慰謝料の金額や支払方法を決定できたら「慰謝料支払いについての合意書」を作成します。
このとき、特に慰謝料を「分割払い」にするならば必ず合意書を「公正証書」にしておきましょう。
公正証書にしないと将来相手が不払いを起こしたときに、あらためて「慰謝料請求訴訟」をしないと取り立てができないためです。
公正証書があれば、将来相手が分割金を支払わないときに裁判なしに「差押え」をして未払い金を回収できます。
公正証書を作成したいときには合意内容をまとめた書類を公証役場に持ち込んで、それを「公正証書にしたい」と相談しましょう。
公正証書を作成する日には相手(婚約者や浮気相手)にも印鑑と身分証明書を持って公証役場に来てもらう必要があります。
また費用(数錠は1~3万円程度)も発生するのでどちらがどれだけ負担するのか事前に取り決めておきましょう。
5.慰謝料請求訴訟を行う
相手と話し合いをしても合意できない場合には、裁判所で慰謝料請求訴訟を起こす必要があります。
裁判では婚約者と浮気相手の片方ずつ訴えてもかまいませんし、両方被告にして同時に訴えてもかまいません。
どちらにしても訴訟をするときには、必ず弁護士に依頼する対応をお勧めします。
自分で訴訟を進めると対応が不十分になって、不利になってしまう可能性が高まるからです。
訴訟で勝てば相手方らに対する支払命令の判決を出してもらえます。
相手方らが判決に従わない場合には「強制執行(差押え)」をして相手の給料や保険、車などを差し押さえる必要があります。
強制執行についても弁護士と相談しながら進めていきましょう。
婚約者の浮気で破棄や解消するとき相談できる場所
婚約者が浮気したとき自分一人で解決するのは難しいものです。
相談できる場所として以下のような場所を利用してみましょう。
カウンセラー
婚約者に浮気をされると精神的に落ち込んでしまうものです。
婚約を解消するか相手を許して復縁するかで悩むケースもあるでしょう。
精神的な落ち込みが激しく辛い場合、カウンセラーを利用してみましょう。
自分の本当の気持ちに気づかせてくれて楽になれる可能性があります。
精神科、心療内科(病院)
精神的に落ち込んでしまって、うつ状態となり仕事も家事も何もする気が無くなってしまったケースでは、一度精神科や心療内科を受診してみましょう。
うつ状態になっていたら薬などで、少し気持ちが楽になるケースもあります。
また相手の浮気が原因でうつになったら、慰謝料の増額事由にもなるので診断書を書いてもらいましょう。
心療内科で併設してカウンセリングを受けられるケースも多いので、関心があれば医師に相談してみましょう。
弁護士
婚約破棄されて慰謝料請求すると心に決めているなら、弁護士に相談しましょう。
そもそも自分のケースで慰謝料請求できるのか、慰謝料請求に必要な証拠の集め方、慰謝料請求書の書き方などについてアドバイスをもらえます。
また慰謝料請求の代理も依頼できます。
探偵事務所
慰謝料請求するための浮気の証拠が手元に集まらないなら探偵事務所に相談しましょう。
探偵事務所に依頼したら婚約者や浮気相手を尾行して、高精度なカメラで画像や動画を撮影して詳細で確実な調査報告書を出してくれます。
それによって、相手が言い逃れできなくなり高額な慰謝料を獲得できるケースも多々あります。
まとめ
婚約者に浮気されたら、まずは気持ちを落ち着けて浮気の証拠を集めるところから始めましょう。
自分一人で考えていても追い詰められてしまいますし親や友人にも恥ずかしくて相談できないケースもあるでしょう。
守秘義務のある弁護士やカウンセラーに相談すると気持ちが軽くなる方も多数おられます。
探偵事務所でも秘密厳守してくれるので、浮気の事実を確かめたいときや浮気の証拠が必要なときには是非とも相談してみて下さい。
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